パラスポーツの競技・種目を知る

(スポーツ紹介詳細)

馬術

どんなスポーツ?

パラ馬術は、パラリンピック種目で唯一動物【馬】と共に競い合う競技です。

肢体不自由・視覚障害をもつ方が対象となり、その障害が重いGⅠから、障害が軽いGⅤのクラスに分け勝敗を決定します。

選手は馬をコントロールし、決められたルート(経路)に沿い円運動を描いたり、後退したりし、その正確性や活気の良さ等を馬の体勢とともに採点されます。

採点は各運動項目に対し10点満点で行われ、3人から5人の審判が採点し、それぞれの審判がつけた合計得点を総得点で割った「得点率」を合計し、審判の数で割った「最終得点率」の高さによって順位付けがされます。

また、決められた内容を取り入れた上で、選手が自由に経路を組み上げ、自ら選んだ曲に合わせて演技する『フリースタイルテスト』(個人課目の成績上位者のみが出場)という課目も実施されます。この競技は曲とのマッチング等の芸術点も採点されます。

パラ馬術では、常歩(なみあし)・速歩(はやあし)・駈歩(かけあし)の3つの馬の歩法があり、障害の程度が重いGⅠは常歩のみ、GⅡとGⅢは常歩・速歩、GⅣ・GⅤは駈歩も入れた経路となります。

経路はアリーナと呼ばれる中で行われ、GⅠ~GⅢはやや狭い20m×40m、GⅣ・GⅤは20m×60m内で演技を実施します。

健常者馬術競技の「馬場馬術」とほぼ同じルールで実施されますが、障害をもちながらも馬への指示を明確かつタイミング良く出す為、演技中の鞭の使用が認められていたり、障害を補う為の特殊道具の使用が認められる等、各選手の工夫も見どころの一つです。そして何より、馬が自らすすんで運動をこなしているかの様な人馬一体となった演技や力みのない馬体の美しさがパラ馬術の魅力です。

(文・写真提供:一般社団法人日本障がい者乗馬協会)