みんなの声倉橋香衣

みんなの声

倉橋 香衣さん(ウィルチェアーラグビー日本代表)

〇ウィルチェアーラグビー競技の東京アスリート認定選手として注目の倉橋香衣選手にインタビューを行いました。1990年兵庫県生まれで、チームはBLITZに所属。女性初のウィルチェアーラグビー日本代表 倉橋選手の素顔に迫ります。

・小さい頃の思い出、小さい頃の夢は何ですか?

 小さい頃から外へ遊びに行っても全然疲れなくて、夜はなかなか寝ないほど活発な女の子でした。母親が疲れさせるために色んな習い事をさせたのですが、その中で一番疲れて、一番興味をもって取り組んだのが体操だったので、小学校1年生の終わりから体操のクラブチームに入りました。高校3年生までずっと体操をやってはいましたが、結局、下手で恥ずかしいので辞めてしまいました。

 小さい頃の夢は小学校の先生になることでした。(大学では中学と高校の体育教師の免許を取得)


・事故について伺ってもいいでしょうか?

 大学3年生になった4月の埼玉県越谷市の大会で、決勝戦本番前のアップ中に空中で回転する技を「次の人が待っているからやっちゃえ」と焦って失敗し、頭から落ちてしまいました。救急隊員の方が体の各部分を触り「分かりますか?」「分かります‥」「分かりません‥」と答えていた時に、足を触られても、触られていることが分からないことに気づきました。診断は、頸髄損傷でした。首をやったら感覚がなくなることを知らなくて、その時、初めて知りました。落ちたときは、「お母さんに怒られる‥」と、まず思いました。そして、ICUで治療を受けている時は「やってもうた‥」と思うくらいで、「明後日、飲みに行く約束をしていたのに‥」とか「大学の体育館が二階なので、どうやってそこまで上がろうかな‥」とか考えていて、意外と「歩けなくなった、どうしよう、人生終わった」と落ち込むことはありませんでした。寝たきりの状態の時はたまに「歩きたい」という衝動はありましたが、車いすで動けるようになってからはとにかくベッドから出たかったのを覚えています。むしろ、自分よりも母親の方が「復学もできないし、何もできない、どうしよう」と落ち込んでいました。

 やってしまったものはしょうがない。ベッドから頭を上げられた、座れるようになった、字が書けるようになった、手紙が書けるようになった、体を起こして友達と喋れる、ご飯を食べることができたとか、一つ一つできるようになることは楽しかったです。

・ウィルチェアーラグビーとの出会いは?

 大学に復学するため国立障害者リハビリテーションセンター(埼玉県所沢市)に入所した時、ラグビー部活動を入所生がやっていると聞いて見に行きました。「車いす同士がぶつかっても怒られないっていいな」と思い、自分もやりたいなと思いました。

 競技を見てそれが面白いとかではなく、自分が乗って動くのが楽しかったです。ラグビー部に人数が少ないので入ることになりました。


・ウィルチェアーラグビーのルールについて教えてください。

 ウィルチェアーラグビーは車いすスポーツで唯一コンタクトが認められている競技です。4対4でバスケットボールコートの広さで行います。選手それぞれには障害の重さによって7段階で点数が付けられ、4人で8.0点以内に組んで試合をします。女子選手が出ると0.5加点となる男女混合の競技です。0.5加点されることで、攻撃に強くパスやボールをさばける選手が入ることができると有利になります。

 
 

・会社にも勤めていますが、仕事の内容を教えてください

 株式会社商船三井に勤めていて、週に2回の勤務で、週3~5回の練習というスケジュールです。仕事は、支払伝票の打ち込みやアンケートをまとめるなど事務的な処理をしています。こういった働き方に加えて、ラグビー用車いすの支給など、会社が支援してくれています。


 

・休日は何をして過ごしていますか?

 関東の選手たちと仲が良く、よく話したりご飯に行ったりします。練習がオフの日は、家の近くのショッピングモールへ遊びに行きます。

 家にいるときは、一人暮らしなので洗濯などの家事をして、一日があっという間に終わってしまいます。

 

・日本代表として初めてのジャパンパラ競技大会について教えてください

 日本代表に初めて選出されたのは2017年1月の選考合宿でした。メールで日本代表選出の連絡がきたときは「どうして?」という疑問が大きかったです。でも、呼ばれたからには頑張ろうと思いました。

 翌々月の3月のカナダ遠征が人生で初めての海外渡航になりました。試合にあまり出たことがなかったのに、その大会の1試合目の出場時間がウィルチェアーラグビーを始めてから2年分の出場合計時間を一気に超えたんです(笑)。

 カナダの大会で試合に出る楽しさを知りました。昨年初めてジャパンパラ競技大会に出場して、応援に来てくれた親や友達の前でプレーを見せることができました。「ウィルチェアーラグビーって面白い競技だね」と言ってくれたのがとても嬉しかったです。


・今後の目標は?

 2018ジャパンパラウィルチェアーラグビー競技大会では、優勝を目指したいです。試合内容としては、ただ勝つだけでなく自分たちのしたいことをできるようにしたいです。個人としては走るだけでなくオフェンスの時に相手のディフェンスを削っていくことも重要なので動きの質を高めていきたいです。

 今年は、ジャパンパラ競技大会後に世界選手権、来年はウィルチェアーラグビーワールドチャレンジ2019、そして2020東京パラリンピックと続くので、経験を積んで成長できるように頑張ります!


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